Home > 機材とカスタマイズ > 赤道儀 > 三脚のクイックレリーズ化

三脚のクイックレリーズ化
赤道儀の三脚は設置したあと必ずキャップネジを締めないといけませんが、六角レンチを使って締めるのはちょっと面倒で時間もかかります。
三脚のキャップネジ
これをワンタッチで出来るように改良します。
今回も撮影仲間のsyoshi-さんにお手伝いいただきました。

タイオガのクイックレリーズタカハシの赤道儀をお使いの方は、純正のオプションや標準装備としてクイッククランプというものがあり、レバーを倒しワンタッチで締め付けられる機構がありますが、MTBなどのタイヤの着脱に使われているクイックレリーズを流用して、ビクセンのGP・GPD用の三脚でも同じようにワンタッチで締め付け出来るようにしてみようと思います。

ここではタイオガのクイックレリーズを使用しています。フロント・リア用がセットで1300円〜1800円程度で販売されていますので、これを2セット購入し、そのうち3本を使用します。
ビクセンの三脚の脚の幅はせいぜい7〜8cm程度なので、フロント用135mm・リア用100mmのこのクイックレリーズのシャフトをカットして使えばちょうど良さそうです。



8mm真鍮パイプでもクイックレリーズのシャフトの太さは5mm、三脚のネジ穴は8mm用ですので、そのままでは穴の中で遊んでしまいますし、三脚の脚がズレてしまいます。

8mmの真鍮パイプを穴に通し、ガイドとして使います。
まずは三脚に付いているキャップネジを外します。

これはもう必要ありません。
クイックレリーズのシャフトの必要な長さを、三脚の穴に通して測ります。

三脚の幅+反対側のネジ部の長さがあれば良いでしょうか。
カットする部分にマジックなどで印をした後、金ノコでカットします。
カットできました。3本とも同じ長さでカットしておきます。
そして、ヤスリで削ってカット下部分の面取りを念入りにしておきます。後で反対側のパーツが入れやすいように出来るだけ丸く仕上げた方が良いでしょう。
次に真鍮のパイプをカット。

必ず三脚の脚の幅より少し短くなるようにカットします。
これも両端をヤスリで削って綺麗に面取りしておきます。
クイックレリーズとパイプのカットが終わりました。
ダイスを使ってカットしたクイックレリーズのシャフトにネジ切りします。

三脚の幅からはみだす部分の長さをネジ切りしていきます。
回して回して少し戻して・・を繰り返します。
途中で適度にオイルを注しながら作業します。オイルを注さないと綺麗なネジ山になってくれません。
なかなか綺麗なねじ山になってくれました。

ネジ切り後はカーシャンプーなどを薄めた水に浸け込んでオイルや削りカスを洗い流し、錆びないようにしっかりふき取っておきます。
さ、パーツが揃いました。
三脚にはめ込んでいきます。
パーツの差し込む順番ですが、写真のようになります。真鍮パイプの両端にステンのワッシャーを当てると、スプリングがパイプに入り込まなくて良いと思います。
三脚にパイプを差し込みます。

三脚の幅より少し引っ込んでいるのが判りますか?
パイプが三脚の幅より長いと、しっかり締め付けられなくなりますのでご注意を。
クイックレリーズのシャフトをスプリングやワッシャーも忘れないように差込み、反対側のネジ部で締めます。

これで完成です。
クイックレリーズを開いているときは三脚の脚が動きます。
レバーを倒して締め付けると、がっちりと締まります。


少し締め具合を調整してギュッギュッギュッっと3点レバーを倒すだけで三脚の締め付けは完了します。
これでかなり時間短縮になりそうな気がします♪


■製作後書
・クイックレリーズのシャフトの先はネジ切りする前に滑らかに丸くなるくらいに削って面取りしておくほうが良いです。購入したクイックレリーズのシャフトの先はほぼ丸い形状になっていました。それとダイスでのネジ切りですが、ダイスはねじ山がシャープに切れるようにぜひ良いものをお使いください。シャフトの先が尖っていたり、ねじ山が鋭利でないと、ネジを締めるときに引っかかったり固すぎて手ではとても回せなくなります。
・ガイドに使う8mmパイプは三脚の脚の幅より少し短くカットすること。
・ネジ切り部分は三脚の脚の幅からはみ出る部分より少し長めに切っておいた方が良いでしょう。
・ダイスでネジ切りするのは思った以上に難しいものです。特に切り始めがとても難しい。ネジ切り中のオイル注しとネジ切り後のオイルの洗い流しは必須。

戻る