Home > 機材とカスタマイズ > KissDN改造 > UIBARフィルタに換装・フィルタ枠の付け替え

Kiss Digital N改への改造の手ほどき(UIBARフィルタに換装・フィルタ枠の付け替え)
さて、KissDNのローパスフィルタを光映舎より購入しました。
UIBARフィルタ以前購入し、換装したのは20Daのローパスフィルタでした。これはHαを50%通すメーカー純正のフィルタで、WBをプリセットすれば一般撮影にも使えるくらいという程度のカスタマイズに留まっていました。これだと赤い星雲を撮影すると、やはりちょっと物足りなく感じることもあるのです。
今回入手したのは天体写真専用のHαをふんだんに通してくれるUV/IRブロックフィルタ(UIBAR)。星雲の赤も20Daの倍ほど色濃く写ってくれるはずです。
しかしフィルター枠が付いていませんので、元々付いている純正のフィルター枠から純正の赤外カットフィルタを剥がし、UIBARフィルタを取り付ける作業もしなければいけません。
改造開始
今回はsyoshi-さんにやってもらうのではなく、自分でやってみます。
では、さっそくローパスフィルタを換装。KissDNを正真正銘の天体写真専用に改造しちゃいます。
改造開始。
分解に用意する主な道具は精密ドライバーとピンセット、カッター、それと爪楊枝。先を削った耳かきもあると便利で安心。
写真に写っている製氷皿は取り外したネジや小さな部品を入れておくのに便利です。どこの部品かを付箋に書いて貼っておけば万全です。
改造風景 syoshi-さんと、先日から撮影をご一緒しているひめさんも偶然にも同時期にKissDNとIRカットフィルタを購入したとのことで、今回は3人で改造をご一緒することにしました。

・・なんだか異様な風景ですが。^^;
まずは前面 今回は前面、背面ともボディを外して分解することにしました。
これだと回せないネジもありませんので、ボディに穴を開ける必要もありません。
前後側面、そして底面のネジを外すと、前面カバーから取り外せます。
そして背面 そして背面。
背面はフレキが2本繋がっているので注意。精密ドライバーでフレキのストッパーを開いても良いが、先を削った耳かきがあると傷をつけずに安心できそうです。
前面 前面を取り外した姿。右側にトランスらしきものが見えていますが、触らない方が無難です。^^;
背面 背面を取り外した姿。

さ、ここからはフレキ外しが延々と続きます。ストッパーの開く方向を間違えないようにするのが肝。
力加減に気をつけて慎重に。ストッパーが外れてしまうと取り付けるのにかなり苦労します。
取り外す箇所は20Daのものに取り替えたときの画像を参考に。いっぱいありますので外し忘れのないように。
半田外し 内部の基盤を取り外す準備をします。ネジを外すと、今度は真ん中の金属製の保護カバーを半田ごてで半田を溶かして取り外します。
CMOSユニットを繋いでいるフレキがこのカバーの下にあるので、焼かないように傷つけないように注意します。
ピンセットなどで上向きに力を加えながら、半田ごてを先だけでなく面接触できるようにあてると熱が伝わりやすく取り外しやすいです。
基盤外し 基盤が外れました。
CMOSの裏側が見えてきました。
CMOS外し CMOSユニットのネジを外し、ユニットを取り外します。
ネジを外すとCMOSユニットは3箇所の薄い台座の上に載っています。その台座金具をなくさないように、位置がわかる様に外しておいた方が無難でしょう。
極々薄い台座は、CMOSと光路の垂直を保つためのもののようです。取り付ける位置が変わってしまうと画面全体にピントが合わない・・という災難に遭うことになりそうですから。
フィルタ枠外し フィルタ枠からフィルタを剥がします。両面に貼り付けている薄いゴム枠を引きちぎらないように剥がします。この2枚の枠はフィルターを入れ替えてからまた貼り合せるのです。
そしてフィルターは枠にシリコンで3辺を固められて固定されていますので、カッターで切り目を入れて、あとは力技。引っぺがします。
・・が、刃であまり強くこじるとフィルターのガラスが割れてしまいます。(ほぼ間違いなく割れますのでノーマルのフィルタの再使用は出来ないと思っておいたほうが無難です。)
フィルタ剥がし完了 純正フィルターが剥がれました。
枠に残ったシリコンはできるだけ綺麗に削ぎとっておきましょう。UIBARフィルタを取り付けるときに残ったシリコンを挟み込んでしまうとピント位置がずれてしまいます。
シリコンで貼り付け UIBARフィルタを枠にはめ、シリコンで固めるのですが・・
爪楊枝に少しづつ付けて、四隅を固める程度で大丈夫でしょう。
最後にプラスチック枠にはみ出た部分を綿棒で慣らして面を整えておきます。少しでもフィルタ面にはみ出して付いてしまうとそれでもう最後、全てが終わりです。細心の注意を。
組み立て完了 さて、乾いたら今までとは逆の手順で組み立てていきます。CMOSとローパスフィルタの間にゴミが入らないように、ブロアで念には念を入れてしっかり清掃しておきます。後でテスト撮影してゴミが見つかると、また分解しないといけません・・。^^;
フレキを差し込むとき、穴に爪楊枝を刺して引っ張ると差し込みやすいです。でも、決して引っ張り過ぎないように。また、挿し込みは確実に。
今回は軍幹部のカバーもある程度動かすことが出来たので、前回は差し込みにくかったフレキも難なくクリアできました。
ミラーケラレ処理 さ、組み立て完了。

ついでにミラーケラレ防止のために、クッションを良く切れるカッターで切り取っておきましょう。
ミラーアップ時にパコンパコンと音が鳴りますが、気にしない。(笑)
KissDNa改とKissDN改(UIBAR) 僕のKissDN。

増殖しました。(笑)
KissDN
aと今回改造したKissDN改。どっちがどっちだか判らなくなりそうです・・。^^;
ローパスのゴミ-sum さっそく空を撮影し、PhotoShopでコントラストを上げてモノクロに変換し、ローパスに付いたゴミを調べます。

ぬぬぬぬ・・やはりいくつか付いてる。
フラット処理でやっつけてしまえばいいか。^^;

戻る