Home > 機材とカスタマイズ > ガイドアダプターGA-4

ガイド撮影遍歴
星を点像として撮影するには赤道儀で追尾する必要があります。何も手を加えず、赤道儀に任せておく追尾をノータッチガイドと呼んでいます。赤道儀の追尾精度にもよりますが、この方法では一般的に200mmレンズまでが限界といえるでしょうか。
それ以上の焦点距離で撮影するとなるとガイド鏡でガイド星を探し、レチクルからはみ出ないようにモータードライブで調整しながら撮影しなければ星は点像に写りません。これをガイド撮影と呼んでいますが、モーターを使用せず絶えず手動でガイド星の位置修正を行う手動ガイド、モーターとガイドアダプターを使用する半自動ガイド、モーターによるガイド星の位置修正をST-4やAGA-1などのオートガイダーやガイド用ソフトをインストールしたPCと接続して自動で修正させるオートガイドがあります。
手動ガイド・・はあまりにも時代錯誤なので^^;、とりあえずは半自動ガイドから始めるのが一般的です。

半自動ガイド / ガイドアダプター GA-4(31.7mm)
レチクルを投影してくれるのがこのガイドアダプターGA-4。アイピースやCCD、WebCameraなどを付けて使用します。
CCDやWebCameraを使用するにはモニタが必要で、2j軸モーターがあれば、PCと接続しフリーソフトによるオートガイドも可能になります。
いまのところアイピースでの監視となりますので、コントローラを握り締めて人力で半自動ガイドしていますが、中腰など非常に不安定な体勢でのガイドを強いられ、体力的に問題がある気がします。結構ガイドエラーも発生します。(笑)
また、ガイド鏡にはRFT-80Sを使用していますが、調整筒をいっぱいまで引き出してもなぜかピントが合わず、延長筒に新たにもうひとつねじ切りして2点止めにし、その先にGA-4を浮かせて取り付けています。

ガイドアダプター比較
以前使っていたアストロ光学 HE-Or4mmGE 24.5mmとビクセン GA-4 31.7mmの使用感の比較です。参考程度に・・。

●ビクセン GA-4 31.7mm
GA-4 GA-4Reticle
レチクルのパターンは6重の円と東西南北のラインのシンプルなもの。
レチクルは東西南北に微動移動できるのが便利。
説明書記載のガイド許容範囲を見ると、1000mmのガイド鏡を使用し、一番内側にある第一円のガイド許容範囲は、31.7mmでは464mm、24.5mmでは800mmとなっている。許容範囲の計算方法も書かれていますので、400mmガイド鏡の許容範囲を計算すると、31.7mmでは186mmレンズまでしかダメということになる。
しかしアイピースを交換するだけではレチクルの見え具合が変化するだけで精度は全く変わらないようです。バローを追加すれば精度が上がりそうだけど、もともと3倍バローが付いているだけに導入が困難になってしまいそう。
ん〜・・しかし、31.7mmと24.5mmでこんなに差があるのはどうして?^^;

●アストロ光学 HE-Or4mmGE 24.5mm
HE-Or4mmGE HE-Or4mmGEReticle
ガイド鏡RFT80Sとともに購入し、当初からずっと使ってます。
レチクルのパターンがいくつもプリントされ、使いやすいパターンを選択できるのがgood。・・ですが、このガイドアイピースはレチクルを微動移動できないのでガイド星の移動はガイドマウントに頼ることになり、ガイド星をそのパターンのところに正確に持って行くのは至難の業です。
説明書表記のガイド許容範囲は、角度で結構正確に書かれていて、400mmのガイド鏡を使用したとき、レチクルの一番小さい円を使用したときには300mm程度のレンズまでが許容のようです。バローを使用して倍率を上げると単純にその2倍・3倍・・と精度が上がります。
あと注意すべきは電源の切り忘れ。GA-4では点灯しているとLEDが光るので判りますが、このHE-Or4mmGEでは電源が入っているかどうかはアイピースを覗かないと判らないのです。よく電源入れっぱなしで撤収してしまい、電池が切れていることがあります。^^;

各社の表記を鵜呑みにすればHE-Or4mmGEのほうが許容範囲が広いことになりますが、比較の方法が違うので僕にはなんとも言えません。
この二つのガイドアイピース、どちらが正確なのでしょう。
どっちにしても説明書が紙切れ一枚というのはどないやねんと思ってしまうのですが・・。^^;


半自動ガイド / Webカメラ&オートガイドソフト使用
ガイド鏡に取り付けた暗視野ガイドアダプターのレチクルを不安定な姿勢で撮影中ずっと監視を続けるのは大変疲れます。LavieNXとQcam
31.7mmスリーブそこで、目の代わりにWebカメラを使ってガイド星を監視する方法を取り入れるのも一つの手段かと思います。
まずはWebカメラをアイピース代わりに差し込めるように少々の改造が必要。使っていないBORGのメタル延長筒が手元にあったので、光軸がずれないように接着剤で止めただけです。(笑)

さて、WebカメラやCCDカメラを使用するにはモニタが必要になりますので、手持ちのPCにとりあえずは半自動ガイド時のモニタとして働いてもらうことになります。
ところがGA-4にレンズを外したQcamを取り付けてもレチクルにピントが合わないという現実に直面。どうしたものかと考えているところにichさんから救いのコメントがありました。
ASTRO-SNAP
フリーソフトのASTRO SNAPのレチクルを利用することにしました。
これならレチクルをクリックで移動させることも東西南北を回転させることも可能ですから非常に実用的。全画面表示の大きなレチクルで見やすくてvery good。
重いGA-4ではなく天頂ミラーでもOK。精度を上げるには3倍バローは必要になりそうですが・・

これで椅子に座って楽な体勢でガイドが出来る。ありがたや〜。
しかし、とにもかくにも晴れなきゃダメですね。^^;

PCと周辺左写真:Qcamを操作するためのPC。NECのLavieNX Celeron333Mhz、OSはWin98SEの非力なマシン。電源は軽自動車用バッテリーからインバータを介してAC100Vに変換し、純正のアダプターで接続している。このLavieNXは古いPCで約2.8Ahを消耗するので、軽自動車用のバッテリーでも7〜8時間しか持たない。
Qcam取り付け
そうそうQcamの接続ですが、天頂ミラーはガイド鏡に垂直になるように取り付け、Qcamは横向きに。おそらく方角が変わるとQcamの向きは反対にしないとダメそうです。
このようにQcamを取り付けると、上に移動させたいときには上のボタン、下に移動させたいときには下のボタン・・というように、まるでガイド星をジョイスティックで操作しているように、DD-1のボタンどおりにガイドできます。電源ボックス

電源ボックスには赤道儀とカメラ用にポータブルバッテリーSG-1000が2つと、PC用の軽自動車用のバッテリーを詰め込んである。シガーライターで分岐させ、アラーム付きの電圧計を付けたので、急な電圧低下もすぐに感知できます。
しかし、この配線の乱雑さは救いようがない。足を引っ掛けてしまう前に何とかしなければ・・。

ASTRO SNAPとりあえず木星をレチクルに入れてみたのが右写真。
QcamPro4000のセンサーは30万画素CCDなので3〜4等星程度までならガイド星に出来そうです。市場には30万画素CMOSのWebカメラが溢れているが、Canonのデジタル一眼レフに使用されているような超ウルトラ高品質のCMOSならともかく、低価格のCMOSでは恐らく暗い星は写らないと思いますので念のため。
ガイド許容範囲については、右写真では木星が明るいのでかなり膨らんでいるが、レチクルの許容範囲は最小円内程度だと推定されます。

ここまで来れば手持ちのモータードライブがSS2000PCならPCへの接続ケーブル、MT-1などモータードライブなら接続するリレーがあれば一気にオートガイド化も可能です。

ただしこのwebcamの映像の取り込みにはPCにかなりの負担がかかるようです。フォーマットを小さくして使用するほうが無難でしょう。
また、星を撮る感度ですが、使用するオートガイドソフトにもよるかもしれませんが、GuideDogでは4〜5等程度までなら大丈夫なんじゃないでしょうか。

QcamPro4000の改造について
新しいおもちゃを入手しました。(笑)
lens
Qcam pro 4000おもちゃとはいえ使いようによっては非常に高性能です。

製造終了した今じゃなかなか手に入らないQcamPro4000未開封新品。
オークションで7K円ちょっとで入手できました。


いつまでも未開封というわけにも・・開けてみました。
Qcam

付属のソフトをインストールし、USBでPCに繋いでとりあえず写してみました。
映像
ちょっと荒いけど・・おもちゃだからこんなものです。
でも、なかなかクリアな映像ではないでしょうか。
星に対する感度が気になるところですが・・。

天文屋としての性と言えるでしょうか、こういうのを見るととりあえず分解してしまいます。(笑)
分解
ネジ一本でバラバラ。
非常に単純な構造になっています。

レンズをネジ取り、もう2本ネジを外すとCCDが出てきました。
CCDとローパス
外したレンズの内側には赤外カットフィルタが付いています。結構赤い。かなり補正されている印象。

使用されているCCDはやはりSONYでした。
SONY

さ、ここからが問題。
この手のウェブカメラのだいたいの用途はお判りかと思いますが・・
惑星の撮影では赤道儀の精度を飛躍的に良くしないといけないし、オートガイド用のwebcamがもうひとつ欲しい。また、オートガイド用に使用するにはPCからコントローラへの接続ケーブルが必要になりますが、スカイセンサー2000PCなら市販のケーブルで何の問題もなく接続できるのですが、MDコントローラがDD−1だとリレーが必要になり、さらにちょこっと改造も必要になります。

はぁ・・せっかく手に入れたのに頭が痛い。
しばらくはライブチャットでもしろってか?^^;

次に望遠鏡にどうやって繋ぐかですが・・
31.7mmスリーブをどうしようかと思っていましたが、手元にあったBORGの【4604 メタル延長筒】を利用することにしました。
31.7mmスリーブ
メタル延長筒は固定ネジが邪魔なのでアイピースのスリーブを流用しようかと思っていたのですが、新たに購入しないといけないので経費削減です。(笑)

ASTRO SNAPのレチクルネジ1本外してバラし、レンズとピントリングを取り去ります。
そして粘着性の高い接着剤でくっつけて完成。こういうときはセメダインXがとても便利です。中心がずれないように細心の注意を・・。

戻る