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主鏡 BORG77ED + Reducer×0.85DG(合成 425mm F5.5)
76EDの良いところを受け継いだBORGの最新機種。焦点距離500mm、F6.5ですが、そのままですと青ハロが発生します。しかしDGレデューサーを使用することで焦点距離425mmF5.5となり、ED屈折望遠鏡の課題である青ハロも見事に消え去ります。低価格ED望遠鏡ながら非常にシャープな星像には好感。
小型なので手返し良く撮影できるのは良いのですが、撮影するには延長筒を取り付ける必要があり、その先にカメラを取り付けると極端にバランスが崩れるのが難点。
鏡筒バンドの取り付け可能位置がかなり前になってしまうので、プレート側で取り付け調整するか、鏡筒前部にウェイトを追加してバランスを取る必要があります。

ファインダーには7×50の比較的大口径のものを使用。M33のような淡い系外銀河でも見つけることが出来ます。眼視での導入では、一般的双眼鏡クラスの明るいものが重宝します。
手間ですが撮影前に主鏡にアイピースを付けて、ファインダーの中心と主鏡の中心をを合わせておけば、ファインダーで導入する際にフレーミングも容易になります。
ただし見える星野は逆像ですので、動かす方向は反対になりますが、すぐに慣れると思います。

直焦点撮影用カスタマイズ
望遠鏡を使いやすくするためには、いくつかの改良を必要とします。
まずは鏡筒に取り付けたカメラでのフレーミングの解消。カメラ回転装置を付けました。
従来の回転装置は止めネジがひとつしかなくトルク感もあまり良くないとの噂を良く耳にするので、この冬の新製品で回転装置の強化版、BORG【7352】M57回転装置DXにしました。止めネジが3つに追加され、グリスも粘度の高いものを使用しているんだとか。従来品より厚みも薄くなっています。

この回転装置を取り付けてピントを出すには、標準で付いている2インチホルダーLじゃ長すぎ、Sでは短すぎるので、2インチホルダーMを追加しました。
数ミリの差が出ていますが、これはヘリコイドの移動距離でカバーできそうです。



回転装置を付ける前の組み合わせ
【7835】ヘリコイドM + 【7509】2インチホルダーL + 【7885】レデューサー0.85DG + 【5005】カメラマウントEOS用

回転装置装着時の組み合わせ
【7835】ヘリコイドM + 【7505】2インチホルダーM + 【7352】M57回転装置DX + 【7885】レデューサー0.85DG + 【5005】カメラマウントEOS用

そしてファインダー脚。
毎回ボルト止めは面倒なので、手持ちのボーグのアリミゾ式ファインダーブラケットに取り付けられるようにアリガタ式のビクセンのファインダー脚に変更。ロングタイプにしておいたので、ファインダーを覗いたときに顔が鏡筒に当たる・・というトラブルを回避できるようになりました。
しかしこのビクセンのファインダー脚、何なんだこの肉厚は。写真奥のボーグのファインダー脚と見比べると親子くらい違う。重・・。^^;
プレートへの鏡筒ホルダーの取り付けにはビクセンの汎用スライドバーを使用しています。
これはうちの機材にとって、バランス取りの救世主とも言えるかもしれません。
KYO○Iさんで購入しましたが、手違いで違うものが送られてきたので、肝心要の部分がお預けになってしまいました。^^;
いろいろと試してみましたがどれもうまく行かず、大いに悩んでいた鏡筒の前後バランスが、ようやくこれで解消できます。
鏡筒バンドMは取り付け用のボルトが長くて邪魔だったので、バーの背面からはみ出さないように金ノコで切り、ステンレスナットで止めました。
さ、さっそく鏡筒を取り付けてみました。
う〜ん、なかなかしっくり来ます。

それをアリミゾ式のプレートホルダーに取り付け、カメラを付けてプレート上でバランスを取ってみました。
あとはガイド鏡とファインダーを付けてバランスの取れる場所を見つけておけばOKかな。

これでプレート上の機材のアンバランスとは完全におさらば。少しでも追尾精度は上がるはず。



レデューサー×0.85 DGL について
レデューサー×0.85DG・L2006年末発売のBORGのEDレデューサーF4DG、F4という明るいF値には心揺るがされるのですが・・いかにも高すぎます。^^;
妥協・・とは言いませんが(笑)、77EDで撮る画質が今より少しでも改善しないかと、77ED・101ED専用のレデューサー×0.85 DG・Lを導入してみました。

前玉まずは大きさの比較。
手持ちのレデューサー×0.85DGと比べてみました。

前玉はDG・Lのほうが大きい。

後玉は・・
後玉
倍ほど大きい。
DGはミニボーグ用と区別されるようになりましたが、さすが専用のレデューサーともなるとこんなに大きさが違うものなんですね。
イメージサークルが大きくなるのはもちろんのこと、光量にもかなり余裕が出そうです。



では、さっそく撮った画像を見比べてみます。

レデューサー×0.85DGで撮ったM42
DGで撮った画像-sum
たっぷり露光して枚数も稼いでいるので滑らかなのですが・・

レデューサー×0.85 DG・Lで撮ったNGC281付近
DGLで撮った画像-sum
満月の煌々と照る中、3分4枚という貧弱な画像・・。^^;
撮影前にUSB2.0の認識不具合が発生し、少々手間取りましたので枚数を稼げず荒い画像になりました。気温は5度でした。

でも、さすが専用のレデューサー、四隅を見ると性能の違いは明らかです。
撮影した元画像3456 x 2304pixelの四隅、400pixel×400pixelをそれぞれ切り取って見比べてみました。

レデューサー×0.85DGで撮った画像の四隅
DGの四隅
思いっきり放射状に歪曲しています。長い間、これが不満でした。

レデューサー×0.85 DG・Lで撮った画像の四隅
DGLの四隅
おおっ!非常に良好、ほぼ点像。ほとんど歪曲は見当たりません。また、周辺減光もフラット処理が必要ないくらいまで良好に補正されています。
う〜ん、これは嬉しくなってきます。

しかし、このレデューサー×0.85 DG・Lですが、DGよりもかなり内側にピントが来ます。

2インチホルダーM回転装置DXを付けているので2インチホルダーM(40mm)を取り付けてヘリコイドの移動距離内でピントが合っていましたが、今度はそれではピントが合いません。
2インチホルダーS(20mm)に付け替えて、ドローチューブを5mmほど引き出し、ようやくヘリコイドでピントを出すことが出来ます。・・ということは17〜18mm程、ピントが内側に移動していることになります。
では単純に焦点距離も短くなってるのかな?と思っていましたが、実際の画像を見るとどうやら焦点距離は伸びているようです。

旧作DGで撮った画像を緑に、DG・Lで撮った画像を赤く偏らせてPhotoShopでレイヤーを重ねてみました。
M42撮り比べ-sum
画像が微妙に回転しているので判りづらいかもしれませんが、明らかに赤い画像の方が拡大率が高い。DG・Lで撮ったもののほうが大きく写っている、焦点距離が伸びているということです。
数学は苦手なので(笑)厳密にどれくらい伸びているのかはさておき・・。^^;

とりあえず画像の恒星間をものさし(笑)で測って比べてみると、DGの画像に比べ、DG・Lで撮った画像は約9%拡大されています。
DGでは焦点距離は約425mmでしたので約425mm×1.09倍で、撮影結果からの実測では約464mmになっているという計算になります。

う〜ん、ということはF値も暗くなってしまったということか。焦点距離464mm÷口径77mm=F6という計算になる。
周辺の画質は良くなったけど、これでは露光時間が延びるなぁ・・。
464mm÷500mm=0.928・・レデューサー×0.928 DG・Lに商品名を変更すべきですな。

しかしながらレデューサーを専用のものに替えるだけで、周辺減光も歪曲も明らかに大幅に改善されていることが判りました。80mm鏡筒シリーズをお使いの方、レデューサーを買い換える価値は大いにありますよ♪

さて、この77ED+レデューサー×0.85DG・Lで撮影した画像はBORGウェブサイトにも作例として掲載されています。
お時間のある方はぜひご覧ください。
http://www.tomytec.co.jp/borg/world/sakurei2007/77ed/77ed7887.html

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