流星群豆知識

流星群とはなにか、ご存知でない方のために・・
流星群とは一言で言うと、彗星の軌跡に残った塵が、公転によりその塵の帯を通った地球に降り注ぐ現象です。
〜〜座流星群というのは、その星座のある方向から、地球が塵の帯に突っ込んで行き、その星座の方向を中心に流星が流れる現象です。・・と言っても星座から飛び出すように見える・・というわけではなく、夜空のあちこちで流れる流星の軌跡を辿っていくと、ある点で結ばれます。これを輻射点(放射点とも呼ばれる)といいますが、この輻射点がある星座の名前を取って、〜〜座流星群と呼んでいるのです。
またそれぞれの流星群には母体となる彗星があり、太陽の周りを回る周期もそれぞれに異なり、全く同じ軌道を回ることはなく少しづつずれていきます。この母彗星が太陽に近づいたとき、沢山の塵やガスの帯を残して行きます。その帯は数年あるいは長年にわたり残留し彷徨い、その場所を通った地球に流星となって降り注ぐ・・というのが流星群の大まかな原因のようで、帯が濃いものであれば流星雨や流星嵐になる可能性を秘めています。
しかし地球の軌道にも毎年少しづつのずれがあり、またこの塵やガスの帯もどこに残留しているか判らず流星群の出現数や極大日時の予報は極めて難しいものでした。現在は過去の実績の分析からある程度把握されたものもあり、予報もある程度まで正確なものになりつつあります。とはいえ広い宇宙空間を狂いなく正確に予報するのは極めて難しいものです。予報の鵜呑みは出来ず6〜10時間のズレは当然ながら起こりうると認識しておきましょう。


そういった予想や予報が毎年研究者により多数報告されていますが、その中には流星数の単位としてZHRやHRという文字が使われています。ZHRとは理想条件下で観察できる一時間に流れる流星数です。理想条件とは、全く光害のない状態・雲のない晴天・大気に淀みのない状態など、流星観察に対しての好条件が出揃ったときを指します。そのような条件は地球上には存在しないといっても過言でないでしょう。日本での実際の観察で見える流星はその1/3程度の数になると思われます。HRは実際の観察で確認できた流星数です。

主な流星群
1年で見られる流星群にはどんなものがあるのか、主な流星群を表にしてみました。
流星群名 出現期間 極大日時(JST) 極大時出現数(個/時) 流星の速度
しぶんぎ座  1月 1日〜 1月 7日  1月 4日ごろ 40〜50個 中〜速
かみのけ座 12月23日〜 1月25日  1月 3日ごろ 5個 中〜速
おとめ座  3月15日〜 4月25日  4月中旬 1個
こと座κ  4月16日〜 4月25日  4月23日ごろ 10個 中〜速
みずがめ座η  4月25日〜 5月10日  5月 6日ごろ 15個 速・痕※1
うしかい座α  5月18日〜 6月 5日  5月23日ごろ 3個 緩〜中
おひつじ座  6月 3日〜 6月18日  6月 8日ごろ 2個 中〜速
こと座β  6月11日〜 6月20日  6月16日ごろ 1個
ポン・ウィンネッケ  6月26日〜 7月 5日  6月28日ごろ 1個 緩〜中
みずがめ座δ  7月15日〜 8月20日  7月29日ごろ 10個
やぎ座  7月10日〜 8月25日  7月30日ごろ 3個
みずがめ座ι  7月20日〜 8月25日  8月 4日ごろ 5個 緩〜中
ペルセウス座  7月20日〜 8月20日  8月13日ごろ 50個 速・痕※1
はくちょう座  8月 8日〜 8月25日  8月20日ごろ 3個
ジャコビニ 10月 7日〜10月11日 10月 9日ごろ 1個 緩〜中
オリオン座 10月10日〜11月 5日 10月21日ごろ 20個 速・痕※1
おうし座北 10月15日〜11月30日 11月上旬 5個
おうし座南 10月15日〜11月30日 11月上旬 3個
しし座 11月 5日〜11月25日 11月18日ごろ 40個 速・痕※1
オリオン座χ11月 11月20日〜12月 5日 11月上旬 2個
ふたご座 12月 5日〜12月20日 12月15日ごろ 60個
オリオン座χ12月 12月 3日〜12月20日 12月15日ごろ 2個
こぐま座 12月18日〜12月24日 12月23日ごろ 5個
※1 痕は流星痕のこと

極大日時や極大出現数は時に参考にならない場合もあります。上にも述べましたように流星群には母彗星があり、一定周期で太陽の周りを回っています。母彗星は通過した後に濃い塵の帯を残していきます。その濃い塵の帯が地球の軌道上に残留し、地球が帯を通過したときには雨嵐のように降り注ぐ流星雨や流星嵐が起こる可能性も秘めています。


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